日英通訳&英語コーチの片桐美穂子です。
コミュニティのメンバーさんを対象に、第2回英字新聞のリーディング勉強会=「サイトトランスレーション勉強会」をZoomで開催しました。
サイトトランスレーションとは、通訳トレーニングの一種で、英文を訳すときに、後ろから前に戻らずに、文頭から区切りながら訳していく方法です。
この方法で繰り返しトレーニングすると、通訳として、日本語が滑らかに出るようになるだけでなく、英文の読解が早くなり、ひいてはリスニング力もアップするという方法なのです。
今回は、秋田県、三重県、神奈川県、東京都から5人のメンバーさんが参加。職業も通訳、会社員と様々。全員がTOEIC900点以上持っていますが、サイトトランスレーションが初めての方、数回しかやったことがない方は日本語がなかなか口から出て来ないという難しさに直面します。
事前に予習をしていただいた英字新聞の社説を、順番に文の最初から訳していただきます。「後ろから前に戻って訳さない」がルールです。
今回使った社説はこちらです。
http://the-japan-news.com/news/article/0004025243
このトレーニングをどういう目的で使うかは、人それぞれなので、最初に目的を確認します。それに沿って、私はひとりひとりにコメントしました。誤訳は必ずコメントしますが、プロ通訳の方には、正しく理解しているかはもちろん、聞きやすい日本語かどうかをチエック。読解力アップが目的に方には、日本語の滑らかさよりも、正しく理解しているかを注意深く聞き、コメントしました。
訳し漏れした人が多かったのはこの英文の action was taken でした。
According to the National Police Agency, there were 7,625 cases last year in which action was taken regarding incidents involving a failure to keep one’s distance from the car ahead.(社説より)
通訳の方には、下の文の the statutory penaltyと、imprisonment of up to seven years or a fine of up to ¥1 million の日本語訳についてアドバイスを。
The statutory penalty for that offense is imprisonment of up to seven years or a fine of up to ¥1 million.(社説より)
そのあとは、2人組でパラグラフ毎にサイトトランスレーションをしていただきました。Zoomは、グループワークもできて便利です。
最後に再び全員が集い、1パラグラフずつ、仕上げの訳出。3回やり、どの方も最初より早く滑らかに日本語が出るようになりました。
参加者のご感想です。
・日本語の不自然なところを指摘してもらってよかったです。そこを意識して、毎日自分でも社説を読んでいきます。(Sさん。プロ通訳)
・自分では読めているつもりだったけれど、意味を勘違いしている箇所があったことがわかり、驚きました。勉強会に参加しなければ気づきませんでした。(Mさん 会社員)
・サイトトランスレーションは面白いですね。勉強会のあと、同じ社説を使って自分で全部復習しました。開催してくださってありがとうございました。(Oさん、会社員)
・自分よりレベルの高い人と勉強することができて、とても刺激になりました。(Kさん 会社員)
コミュニティの会員さんに望む結果を出していただくために、このリーディング勉強会は毎月開催していく予定です。
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